この記事で扱う範囲と前提
ログオン後すぐにブラウザを開く前からクラッシュしない安定したプロキシが欲しい、そしてウィンドウが毎回落ちてくるのは視覚的なノイズを増やしたくないというニーズは、Clash Verge Rev利用者にも非常に共通しています。Mihomo実装へ橋渡しできるGUIへ移るほど運用深度が増す一方で、むしろ「起動順」と「クローズボタンの意味」を誤読すると自動起動は効いたつもりでサービス側が止まっている状態が続きやすくなります。本記事は、その構成全体をWindowsおよびmacOSに分岐して、画面上の名前が環境によって違っても読み替え可能な順序で並べました。
サードパーティのクライアントはリリースサイクルが速く、チェック項目のラベルが「開発者」「アプリ」「一般」などに点在します。とはいえ、OSごとの共通原則はシンプルで、ログオン時またはセッション開始時にEXE/アプリ本体を再実行する経路があるか、および×ボタンがプロセス終了なのかトレイ常駐へ退避なのかの二点を押さえれば、多くの「なぜか毎回手動で押す」系の不満は解けます。すでに購読の自動更新間隔やシステムプロキシの別トピックを読んでいる方は、今回の起動挙動を足すことで夜間スリープ明けの切り替え事故が一段減ります。
先に注意点です。管理者権限が必要な環境や、企業端末のアプリケーションホワイトリストで署名付き以外が弾かれる場合、トレイ常駐であっても一部のバックグラウンド更新は止まることがあります。また、省電力ポリシーで「バックグラウンドアプリを常に許可」がオフのWindowsでは、スリープ復帰直後にGUIタイマーが間欠する例もあります。ここはOSの電源とプライバシー設定も含めた設計だと割り切るのが現実的です。
Windows 10/11:自動起動とタスクトレイ最小化をそろえる
以下はWindows 10/11向けです。すべて完了したあと再起動ログオンで確認してください。名前はビルドで若干変わるため、読みかたは機能ベースで合わせてください。
ステップW1:Clash Verge Revを一度通常起動し、タスクトレイにアイコンが残る状態でMihomoコアおよびプロキシのオン/オフが意図どおりかを確認します。ここが不安定だと自動起動を足しても毎朝ログにエラーだけが増えます。TUNを使う前提を固めるなら、別稿のTUNガイドも合わせて確認してください。
ステップW2:アプリケーション内設定にあるシステム起動時に起動/ログオン時実行に相当するトグルを探しオンにします。英語ビルドならStartup with systemやOpen at login型の文言で、日本語環境でも「ウィンドウを開いたまま自動で立ち上げる」だけでなく、中にはカーネルだけ先に載せる構成もあるため説明文を読みます。オンにできない場合は、一度アプリを最新にし、ユーザーアカウント側の権限ではなくユーザーごとのスタートアップへ登録する流れへ移ります。
ステップW3:Windowsの設定 → アプリ → 自動スタートアップ(スタートアップ)を開き、一覧にClash Verge Revがあるか確認しオンにします。UWP型ではないWin32インストーラでもここへ反映されることがあり、ここのスイッチとアプリ内トグルが二重になっても問題ないケースが多いです。逆に、企業環境でここから消えている場合はポリシー優先です。
ステップW4:閉じるボタンの挙動をウィンドウ非表示またはトレイ最小化へ設定できる項目があればそちらへ寄せます。完全終了を選ぶと、朝の自動起動直後だけではなくユーザー操作でもプロセスが落ち自動更新タイマーまで止まるため、運用によっては不向きです。タイトルバーの×が終了してもサービスだけ残すような二段構成を持つビルドもあるので、アイコンが消えるかだけでなくタスクマネージャーのプロセス一覧で本体が残っているかを一度見ます。
ステップW5:画面表示を抑制するサイレント起動/最小化起動に相当するオプションがあればオンにします。ここがあるとログオン直後のポップアップが減り、複数ディスプレイ環境での位置ズレも起きにくくなります。無いバージョンでは、起動後すぐウィンドウを最小化するショートカットを割り当てるだけでも体感の邪魔さは大きく下がります。
ステップW6:どうしてもアプリ側に項目がなく、かつ自分だけの権限で制御したいときはタスクスケジューラでユーザーログオン時にショートカット実行を登録する方法もあります。ただし二重登録になりやすいので、前述の自動スタートアップと排他になるようタスク名を残し、挙動をメモしてください。サービス経由での常駐は一般ユーザー向け運用とは設計が異なるため、この記事では深追いしません。
ヒント:自動起動だけ入れてすぐログオフしないでください。初回のみセキュリティソフトやSmartScreenがショートカット側を検査し、ログオン順が遅れるとGUIは出たがコアだけ遅延、という並びになりがちです。
macOS:ログイン項目とメニューバー常駐を整える
macOS側はログイン項目とメニューバーエージェントという言葉との対応関係が重要です。サイドロード/Developer ID署名アプリでもGatekeeperを通れば通常は大丈夫ですが、複数ユーザー共有Macでは各ユーザープロファイルごとに追加が必要になります。
ステップM1:アプリ本体の設定でログイン時に起動をオンにします。ラベルはLaunch at loginなど英語になりがちです。先にユーザーが自身でシステム設定のログイン項目へ手動追加した場合、アプリ側トグルがグレーアウトする/二重になるといった状態が出るので、どちらか一方に統一すると理解しやすいです。
ステップM2:画面左上のシステム設定 → 一般 → ログイン項目を開き、Clash Verge Revまたはそのローンチエージェントが「ログイン時に開く」リストに並んでいるか確認します。iCloud同期や構成プロファイルにより項目がロックされるケースがあるため、並ばないときはユーザー権限ごとにもう一度アプリ側トグルから入れ直します。
ステップM3:Dockを非表示運用でもトレイ類似領域(メニューバー右側のアイコン群)へ常駐するかを確認します。フルスクリーンアプリだけを使う人ほど視覚的ノイズに敏感なのでクローズでバックグラウンドへ逃がす設定があるか読みます。アプリウィンドウの赤丸がプロセスごと終了扱いにならないよう、メニューバーのアイコンが残るかを見ます。
ステップM4:バッテリー/省エネが厳しいノートでは、スリープ後のネットワーク再接続までに数秒のラグが出ることがあります。これはGUI設定をいじるより先にOSのWi-Fi省電力やPower Napに左右されるため、症状が残る場合はネットワークログとセットで切り分けます。プロキシそのものはmacOS側のプロキシとキーチェーン確認とも補完関係です。
ステップM5:バージョンによっては開発者向け/高度な設定にトレイ挙動やサイレント起動のトグルがまとまっていることがあります。ここをいじる前に一度設定をエクスポートできるならバックアップを取ってください。実験的フラグが混ざっているUIでは、オンにした順番でウィンドウの初期状態が変わることもあります。
避けたい落とし穴(二重起動とポート)
トラブルの芽として多いのは、二重自動起動により同じ構成で競合ロックが発生すること、ログオン直後のDNS競合によりGUIは立ち上がったがMihomoがListenに失敗して沈黙していること、この二つです。前者はタスクスケジューラ/スタートアップ/アプリ設定のログを突き合わせ、後者はOSのポート占有一覧とログを見れば切り分けが進みます。完全に黙っているときほど開発者コンソールを開く価値があります。
注意:「管理者として起動」を常態化させる運用はUAC昇格タイミングによっては二つの別セッションになり、片方だけプロキシが効くという混乱を招きます。通常はユーザー権限ログオンと揃えるのが安全です。
よくある質問
Q. バツを押すと終了しましたと出ますが大丈夫?
それが常設の仕様なら、自動起動のたびに毎朝メインウィンドウが再表示されるだけで、コアは残っている可能性があります。逆にアイコンも消えプロセスも消えるなら完全終了なので、トレイ常駐やサイレント系のトグルを探します。英語UIではQuitとCloseが分かれているビルドもあります。
Q. アプリに自動起動の項目が見当たりません
端末のOSビルドとアプリの安定版/ナイトリで画面が乖離していることがあります。まずストア型ではなく公式導線のパッケージか確認し、Windowsはスタートアップアプリ一覧、macOSはログイン項目から直接追加する迂回を試します。企業管理下ならポリシーで非表示です。
Q. 起動できてもリストが更新されません
起動順は整っても、購読のタイマーや権限問題で取得が止まっているとノード一覧が古いままです。間隔運用は購読の自動更新間隔の記事で補強してください。
チェックリスト
- OS側ログイン/スタートアップとアプリ内トグルが二重になっていないか確認する。
- ×ボタンが終了か退避かを毎バージョンで読み直す。
- 企業・MDM環境ではポリシー優先で諦める項目を先に決める。
- 初回ログオンの30秒だけネットワークとGUIの競合ログを確認する。
- 不要ウィンドウはサイレント/最小化へ寄せ、無理なら仮想デスクトップで隔離。
まとめ
まとめると、自動起動はサービス級の恒久デーモンではなくユーザーGUIとセットのユーザー体験設計であり、環境によって最適値が異なります。Clash Verge Revのようにテキストプロファイル編集だけで済ませにくい作業でも、画面上の名前が変わってもログオン時閉じるトレイ常駐の三語で棚卸しすれば設定迷子になりにくいです。あわせて購読リストの自動取得が止まっていると自動起動の意味自体が薄れるため、定期的なログ確認はセットで行ってください。
とはいえ、インストーラがレジストリ深部にのみ常駐登録するタイプであったり、起動ログがGUIから追えずコンソールを別途用意しなければならないクライアントも残っています。そうした不透明さは運用長期化ほど効いてきます。ここでの比較観点を踏まえると、構成をテキストで追いやすく、画面上から起動順とクローズ連動まで触れる製品ほど日常的なストレスが蓄積しにくいのが現実です。自分のワークフローを崩さず静かな朝の接続を作りたい方は、まず無料ダウンロードのClashから公式クライアントを取り直し、本稿の順にOS別のトグルを点検してみてください。差分が分かりやすいGUIであれば、設定ミスに気づくまでの時間も短縮されます。