位置づけ:規約・法令・サービス側の制限
各プラットフォームは利用規約・決済・地域ポリシーに基づき機能を制限します。Clash ができるのは、パケットの出口と名前解決をユーザーのポリシーに沿って揃えることまでです。アカウント停止や機能フラグはネットワークだけでは切り分けられません。職場・学校のネットワーク規則にも従ってください。
「ぐるぐる」はまず経路の問題として疑う
タイムラインのスピナーは感情には強い刺激ですが、技術的には「複数の HTTPS セッションが TLS 完了や API 応答を待っている」状態に過ぎないことが多いです。分流が効いていれば、ログには接続ごとに最初にマッチしたルールとポリシー名が残ります。ここが想定と違うなら、端末交換の前に YAML と DNS を疑うのが合理的です。
RedNote のような海外版ビルドでも、実際の接続先が xiaohongshu.com 系に収まるか、別CDNに分かれるかはリリースと地域設定次第です。マーケ名だけからルールを書くと取りこぼします。ログで事実を取る前提で読み進めてください。
フィード・検索・投稿・ライブは別「面」として扱う
ホームフィードは一覧API・ランキング・プレビュー画像など複数権威に依存します。検索はサジェスト用の軽いホストが増え、投稿やアップロードは長めのアイドルや大きなペイロードを許容するエッジに向かうことがあります。ライブやリアルタイム寄りの機能があれば、低遅延メディアや WebSocket 風のセッションが加わります。1本の DOMAIN-SUFFIX だけをプロキシに載せても、サムネ専用の CDN が DIRECT のままキャリア側で整形されている、といった面ごとのズレでカクつくパターンが起きます。
ChatGPT / OpenAI 向けの稿 では openai.com など比較的コンパクトな名前群に収束しやすかった一方、小红书系は国内 CDN ラベルや実験的なホストが混ざりやすく、固定リストのコピペより自宅のログ差分が重要です。
ドメインはログ優先(出やすい方向性のみ)
以下は出やすい方向性のメモであり、完全性は保証しません。症状再現中に SNI や接続ログへ出た FQDN を正としてください。
- プロダクトAPIの殻:
xiaohongshu.com配下のサブドメイン、設定・フィーチャーフラグ系(ビルドごとにラベルが変わり得ます)。 - 静的・メディア加速:
xhscdn.comなど、サムネ・ストーリー・短尺クリップ向けのエッジ名。 - 周辺インフラ: オブジェクトストレージ、計測、クラッシュレポートなど、ブランド名が証明書に出ない第三者apex。ログで起動や再生のハード依存が確認できたものだけを足します。
- 認証・決済: コールバックや SSO 風のホスト。別アプリ向けに調整した
GEOSITEバケツをそのまま流用すると、意図しないDIRECT/ プロキシ振り分けを招きます。
リモートの Rule Provider を使う場合も、GEOIP/GEOSITE 分流の記事 で述べているとおり、挿入位置と no-resolve を含めて「中国向けバケツが全部直結」になっていないかを確認してください。意図と逆にクロスボーダー経路が必要なホストまで国内直結に落ちると、権威サーバとメディア経路の国コードが食い違い、症状が出ます。
混ぜない: Disney+ 向けの bamgrid 系ルールや、生成AI向けの別ドメイン集合をそのまま流用すると、小红书系のホストは黙って取りこぼされるだけです。スタックごとに断片を分けて管理してください。
ルール順:DOMAIN-SUFFIX を広い GEOIP より上へ
Clash Meta 系は上から最初の一致で確定します。GEOIP,CN,DIRECT などの広い行が先にあると、後段の DOMAIN-SUFFIX に届きません。逆に言えば、確認済みサフィックスのブロックを、キャッチオールより上に置き、かつ 192.168.0.0/16 などプライベート迂回より下に置かないよう注意します。詳細は ルール順と MATCH の記事 を参照してください。
# Example — group name and suffixes must match YOUR logs
rules:
- DOMAIN-SUFFIX,xiaohongshu.com,XHS-STABLE
- DOMAIN-SUFFIX,xhscdn.com,XHS-STABLE
# Append only what you observed; avoid DOMAIN-KEYWORD,xhs on huge surfaces
巨大な購読ルールだけに頼ると、キュレータ側の更新タイミングで「火曜は動いたのに水曜は壊れた」が起きます。数十行のローカル断片を残し、ログで増えたサフィックスだけ足す運用が壊れにくいです。
DNS・FakeIP・「直結のつもりが別出口」
enhanced-mode: fake-ip では、ドメイン基準のルールが早く載るよう合成の A/AAAA が返ります。一方で OS のスタブ、ブラウザのセキュア DNS、Clash 内の DoH が別々の物語を語ると、ログインは通るがフィードだけ止まる、サムネだけ真っ白など、面ごとの不整合が出ます。これは FakeIP 固有のバグというより、解決経路の二重化が典型です。
fake-ip-filter や nameserver-policy は、分流ルールと同じ真実表に揃えてください。「国内CDNは直結」の意図なら DNS もそれに従うべきで、すべてをクロスボーダー出口に寄せるなら、解決と接続の両方をセットで見ます。Meta コア DNS リーク防止 と fake-ip-filter の稿 を合わせて読むと、YAML は正しいのにログの一行目が違う、という段階で迷子になりにくくなります。
DoH を一本化しても、上流が特定国のポリシー環境に最適化されていると、ソーシャル系 CDN の応答形が想定外になり、GEOIP 分岐へ意外な落下を誘発することがあります。これも悪意ではなく、二つの方針の共存が説明できていないことの副作用です。
HTTPS が IP のまま/QUIC と Sniffer
接続ログに数字のままの終点しか出ないとき、FakeIP の誤爆に見えても、QUIC / HTTP3 でメタデータが足りないケースがあります。まず解決の一本化を済ませたうえで、必要なら Sniffer と HTTPS のドメイン分流 で SNI からホストを復元できるか確認します。いきなり中継チェーンを増やす前に、メタデータ欠落の切り分けを優先してください。
システムプロキシ・TUN・モバイルクライアント
デスクトップの HTTP_PROXY をブラウザが尊重しても、ネイティブの RedNote / 小红书 ビルドは無視する場合があります。背景同期や独自証明書スタックがあると特にそうです。TUN でキャプチャを揃える手もありますが、他VPNやローカル DNS と衝突しやすいので、TUN ガイド と Windows セットアップ でサービスモードやヒジャック範囲を先に押さえてください。
| クライアントの振る舞い | システムプロキシ | TUN |
|---|---|---|
| アプリ内 WebView(ヘルプ等) | 効きやすい | 任意 |
| ネイティブのフィード・投稿・プッシュ | 無視されがち | 揃えやすい |
| 会社VPNと同居するPC | 衝突しやすい | 共存設計が必要 |
| 旅行用Wi‑Fiのみの端末 | 比較的単純 | 必須ではないことも |
IPv6 の取りこぼし
IPv4 だけをプロキシに載せ、AAAA が別経路で外に出ると、サービス側からは地域が混在して見えます。まずログに IPv6 フローがあるかを確認し、プロファイルで ipv6: false に寄せるか、IPv6 も同じポリシーに載せるかを意図的に決めます。
出口の安定性:url-test の振れ
インタラクティブなフィードは、遅延よりも出口の切り替わり頻度に弱いことがあります。url-test と fallback の記事 で述べているとおり、測定間隔や tolerance を詰めすぎるとノードが忙しく切り替わり、体感が悪化します。ルールと DNS が揃ったあとで調整してください。
チェックリスト(短い順番)
- Rule モードで、意図したプロファイルが読み込まれているか確認する。
- 症状再現中の接続ログから増えた
DOMAIN-SUFFIX候補を抜き出す。 - それらを同一ポリシーに載せ、ルール順で広い
GEOIPに負けていないか確認する。 - DNS の二重化(OS・ブラウザ DoH・コア)を切り分ける。
- HTTPS が IP のままなら Sniffer、アプリ差が大きければ TUN や IPv6 を疑う。
用語と設定値は サイトの設定ドキュメント と整合させて読むと、YAML の意味がブレません。
まとめ
RedNote / 小红书(Xiaohongshu)のカクつきは、2026年現在もワイヤ上では HTTPS と DNS の組み合わせです。Clash では、ログに出た API と CDN のホストを束ね、分流の最初の一致を意図どおりにし、FakeIP・DoH・キャプチャ方式をそのストーリーに揃えるのが実務的な出発点です。ChatGPT 稿や Disney+ 稿と同じ切り分け順(ルール→DNS→出口)を踏みつつ、ドメイン集合は別物としてメンテナンスしてください。
接続パネルに想定どおりの SNI が並び、ポリシーも一度きりで命中しているのに障害が続くなら、サービス側やアカウント要因を疑う段階です。インストーラは 公式ダウンロードページ から取得すると、配布物の入手とソース確認が混ざりにくくなります。